ゆうぐれに しめるしとみど すりあげ戸
「蔀戸(しとみど)」は上下2枚に分けられた板戸で、上の一枚は鴨居(かもい)に金具でつながれており、この金具を支点にして上に開き、金具などにひっかけて止めておきます。下の一枚は柱の間にはめ込まれていますが、上の板戸を開けると取り外すことができます。
日本では古く平安時代頃から使われている建具ですが、現在でも神社や寺院などで見ることができます。神社や寺院では建物の外側に開くのが普通ですが、「関まちなみ資料館」の蔀戸は建物の内側に開くようになっています。
「すりあげ戸」は、柱の側面にほられた溝に沿って、板戸をすり上げる戸のことで、関宿では最も一般的な建具の形式です。板戸は3枚に分かれていて、鴨居の屋内側が戸袋になっています。上げ下げする雨戸(木製シャッター)と考えればわかりやすいかもしれません。
「蔀戸」「すりあげ戸」はいずれも関宿の町家の街道に面した前面に付けられた建具の形式で、朝すべての戸を開けると昼間は開けたままで、夕方になって閉めてしまいます。
横に閉める板戸の場合、板戸を収納するための戸袋が必要になりますが、この二つの建具では戸袋が屋内に隠されているため、その分街道に面した間口を広くとり、ミセノマを大きく開放することができます。
関宿の町家は旅籠や商店として街道を通る旅人相手の商いに利用されていました。街道に面した町家の前面を大きく開放できる二つの建具形式は、いずれも商家に適したものということができます。
そこで、「続く七七」は、
「間口を広く 商家の工夫」
(まぐちをひろく しょうかのくふう)です。
『関宿かるた』続く七七
「夕暮れに 閉める蔀戸 すりあげ戸
間口を広く 商家の工夫」
さらに詳しくお知りになりたい方は、
「“関宿”まちなみ・町家暮らし」へ。
「隠れた関宿名物“摺り上げ戸”」
「“関宿”まちなみ・町家暮らし」へ。
「典型的でありながら個性的”関まちなみ資料館”」