『関宿かるた』とは

『関宿かるた』

■制作のきっかけは「関宿まちなみ保存会」

 『関宿かるた』を作ろうとのアイデアは平成18年(2006)頃、「関宿まちなみ保存会」会員から出されました。関宿の歴史や文化を遊びの中で自然に学べるツールとして、そして関宿オリジナルなお土産物として、夢は膨らんでいきました。

 平成20年(2008)には「亀山市協働事業提案制度」を活用して市民提案され、事業採択。平成21年度には関宿まちなみ保存会と亀山市との協働事業として『関宿かるた』の制作が実現しました。

 『関宿かるた』の文章や絵札に入れる絵をどのようなものにするかなどは、関宿まちなみ保存会会員の考えに基づいたものです。制作後は、小学校への普及活動や関宿への文章を記した木札の設置などを関宿まちなみ保存会が行っています。

■できあがった『関宿かるた』

 かるた遊びは、“絵札”を遊ぶ者の前に並べ、誰かが“文字札”を声に出して読み、読まれた内容から“絵札”を素早く取り、すべての“文字札”を読み終えた時、より多くの“絵札”をとった者が勝ちとなる遊びです。

 こうした基本的な遊び方から、かるたは“絵札”と“文字札”とに分かれており、“絵札”は“取り札”と、“文字札”は“読み札”と、“文字札”を読む人を“読み人”と言います。“絵札”には絵が描かれていており、“文字札”には五・七・五の文章が書かれています。“絵札”の絵は、“文字札”に書かれた文章と関係していて一対になっています。

 『関宿かるた』は、“あいうえお”と”関”の47文字に対応した句で作られています。”絵札(取り札)”には、関宿とその周辺の風景や建物などが描かれており、背はえんじ色になっています。一方、”文字札(読み札)”は、”絵札”と同じ絵が薄く描かれた上に、五七五の句が書かれています。背は深緑色です。

 “絵札(取り札)”と”文字札(読み札)”あわせた94枚(47札×2)が、箱に入れられています。箱には関地蔵院境内を鳥瞰的に描いた「東海道名所図会」の挿絵が載せられています。また、箱の中には「関宿かるた解説」が折り込まれています。

■『関宿かるた』47札への想い

 昔からある「いろはかるた」はいろは47文字に「京」の字を足した48札を基本としていました。最近はあまり使われない「ゐ」や「ゑ」を除いて作られることもあるようです。

 『関宿かるた』は”あ”から”ん”の46文字に“関”の字を加えた47札で作られています。この“47”という数は、関宿にとっては大切な数字です。関宿は江戸から数えて47番目の宿場町だからです。そして、47札とするために追加した1枚は、わが町”関”です。

”関”の札には次の句が書かれています。
「関宿を つなぐ今人 未来人」
(せきじゅくを つなぐいまびと みらいびと)

そして、この句に寄せられた解説には、
「NPO東海道関宿(「関宿まちなみ保存会」のことです)は、関宿に関わる全ての人々と共に、東海道五十三次の内四十七番目の宿場町「関宿」を、次の世代へとつなげていくために、伝統的な町並みや先人たちの知恵を大切にしていきたいと考えています。」
とあります。

 『関宿かるた』の制作にかかわったすべての人々の想いが、この1札に込められています。

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