ぬ「塗籠の 格子が映える 虫籠窓」

ぬりごめの こうしがはえる むしこまど

 関宿の町家の二階正面は、柱は梁などの木材の部分が見られるようになった“真壁(しんかべ)”のものと、土壁を厚く塗った“大壁(おおかべ)”のものとに大きく分かれます。

 “大壁”にするために土壁を厚く塗ることを「塗籠(ぬりごめ)」と言います。塗り籠めた土壁の表面は、さらに漆喰(しっくい)が塗られ真っ白に仕上げられています。

 「虫籠窓(むしこまど)」は、大壁に設けられた竪格子(たてごうし)の窓のことで、古い虫籠に形が似ていることからその名がついたとされています。

 虫籠窓の竪格子は壁と同じように土壁と漆喰で塗り籠められており、開け閉めすることはできません。二階の部屋の正面側は土壁でおおわれていますが、必要な最小限度の光や風が、虫籠窓から屋内に取り込まれています。壁が厚く、屋内側には障子戸が付けられているため、屋内から外を見た時には建物正面のわずかな部分しか見ることはできません。

 虫籠窓は、昼間は周囲の白い壁や塗籠られた竪格子に光が強くあたり、格子の間(開口部)に影を作り出して塗籠の壁に立体感を生み出します。一方、夜になると白い壁が暗くなり、格子の間からうっすらと屋内の明かりがもれて格子の姿が浮かび上がります。昼と夜とで全く異なる表情を持っていることは、虫籠窓の大きな特徴のひとつと言えます。

絵札 昼と夜とで明暗が反転します。

そこで、「続く七七」は、
「そっと眺める 外の街道」
(そっとながめる そとのかいどう)
です。


「『関宿かるた』続く七七」

「塗籠の 格子が映える 虫籠窓
 そっと眺める 外の街道」



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「関宿の町家の外観意匠 “真壁”と“大壁”」


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「“宝珠”は旅籠玉屋のトレードマーク」


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